MILDテクニックとはMemory Induced Lucid Dream(記憶誘導型明晰夢)の略でLucidity InstituteのLaBerge博士が大学生のときに発見した、初心者にも非常に効果的な基本的なテクニックです。

仕組みとしては、自分の「自覚」を強化して、夢のなか夢だと気づきやすくします。
そして、アファーメーションを使って、予め決めておいた要素が夢にでてくるように脳をプログラミングして明晰夢を見る確率を上げます。

MILDテクニックでは、あなたの「記憶」が一番重要な鍵となります。
あなたの潜在意識の中に、ある「合図」を埋め込み、夢の中で、自分が明晰夢を見ようとしていることを思い出させるのです。

MILDテクニックには特別なスキルは必要ありません。

大きくわけて、4つのステップで考えることができます。

①夢を覚えておく(夢日記をつける)
②リアリティチェック
③アファーメーション
④ビジュアライゼーション

最初の2ステップは予め準備をする必要があります。すでに前項を読んで実践していれば問題ありません。
後半の2ステップは寝る直前に行います。瞑想に近いので、心も体もリラックスしている状態がベストです。

ステップ1 夢を覚えておく

明晰夢を見れるようになるには、夢を覚えておけることが非常に重要です。
毎朝、最低でも一つの夢を夢日記に書き出せる必要があります。
夢を思い出せないということは、夢自体が鮮明ではないので明晰夢を見れる確立は極めて低いです。
例え明晰夢を見ることができたとしても起きたときには忘れてしまうので意味がありません。
夢を覚えておく確立を上げるためのシンプル且つ効果的は方法らこちらの記事をご覧ください。

ステップ2 リアリティチェック

一日を通して、「これは夢か?」と自分に問いかけ、シンプルな動作を使って確認します。

効果的なリアリティチェックとして、タイマーが毎時間鳴るようにセットし、音がなる度に、右手の指二本を左の掌に押し込もうとします。そして本気で「これは現実なのか?」と考えながら周りを見渡します。通常はもちろん何も起こりませんが、夢であれば指か掌を貫通するのです。
そこで明晰夢に切り替わり、周りの景色が突然鮮明になります。同時に夢の中での自己認識がはっきりして、夢をコントロールできるようになります。
リアリティチェックはこのように自分がいる環境を観察をするきっかけとなります。

他のリアリティチェックとして、宙に浮こうとしてみたり、掌をじっくり見たりするというのもあります(夢だと解ったら、拳の細かいディテールに集中すれば明晰化しやすいです)。
また、デジタル腕時計を見ると、夢であれば数字がめちゃくちゃになっていることがあります。

どのリアリティチェックを使ってもいいですが、夢と現実で結果に違いがある動作に限ります。

繰り返し現実か夢かを確認することを習慣づけておけば、その分夢の中での自己認識が高まります。一日10回以上リアリティチェックをするのが理想的です。リアリティチェックについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。

ステップ3 アファーメーション

夢日記をつけて、リアリティーチェックも仕込んで準備万端になったら、布団に入って眠る直前に、アファーメーションをします。アファーメーションとは、「自分に言い聞かせて、自己催眠を行う」ことです。

明晰夢が見れるように、頭の中で下記のようなフレーズを繰り返すのです。

「次に夢を見るときは、自分が夢を見ているということを自覚している」

「今夜はこんなシーンの夢を見るんだ」

「今から明晰夢を見る!」

「今夢を見ている!」

ただ頭の中で棒読みするのではなく、気持ちをこめて実際にそうだと思って唱えることが大切です。
頭が違うことを考え始めたら、またアファーメーションに集中して眠りにつく寸前まで繰り返しましょう。アファーメーションを唱えながらウトウトするには大体2分から10分くらいかかります。

ステップ4 ビジュアライズ

最後のステップはビジュアライズ(想像する)ことです。
このステップは、深くリラックスし、もう眠ってしまいそうな状態で行います。最近見た夢を思い出し、その夢の終わり方を変えるのです。

まずはその夢のシーンをできる限り細かいディテールまで脳内で再現します。次に、それが夢だとわかる要素を探します。
例えは、珍しい人物や、それが現実ではない証拠となる物を見つけてください。
みつけたら、「これは夢だ!」と自分に言ってください。

これはあくまで想像の世界であって、本当の明晰夢ではありません。
でもそのまま、明晰夢に入ったと妄想してやりたいことを頭の中で実行します。
空を飛んで絶景を鑑賞するのもいいですし、ある人物に会いに行くのもいいでしょう。そんな妄想をしているうちに、本当に眠りについてしまいます。それで完璧です。なぜなら、この妄想の意図は、寝る直前の最後に考えていたことを「明晰夢のこと」にするためだからです。
これだけで翌朝起きる前に明晰夢を見る確立が劇的に向上します。

稀に凄いことが起きて、妄想がそのまま明晰夢に繋がることがあります。
身体は眠ったのに、妄想に夢中だった意識だけは覚醒したままの状態です。そうなると突然全てのディテールが現実世界と同じレベルになり、完全に鮮明な世界に変わります。これはつまり、MILDテクニックをやろうとしてWILDテクニックで明晰夢を見ることに成功したことになります。WILDテクニックについては次項で紹介致します。

おまけ

ちょっとしたコツとして、私の経験上、あまり睡眠が取れなかった日の昼寝のときにこのMILDテクニックを使うと明晰夢を見れる確立があがります。

次項>WILDテクニックで明晰夢を見る